1-1.押してはいけない局面

押してはいけない局面

「押すべき局面」で紹介したように、無筋を連打してでも押さねばならない局面がある一方で、
その反面、「絶対に押してはいけない局面」というのもむろん存在する。

例えば、分かりやすい状況でいえば以下の例:

■東三局 南家 18000点持ち

 東家の親が先制リーチをかけ、同巡に西家の子が追っかけリーチ、という状況。
 この場面で、仮に聴牌しているからといって、
 無筋を切るのはもちろん、筋を追いかけるのすらも禁物だ。
 当然、リーチなんてもってのほかだ。

 

 その理由は、自身の置かれた点棒状況にある。
 18000点という点棒は、親の跳満で一発KO、ドボンの点棒だ。
 一方、ツモなら三倍満をツモられない限り、トぶことはない。
 ゆえに、ちょっとやそっとの理由では、わざわざ危険に身を晒す必要はない。

 そして、今回は親リーに対して、西家の追っかけリーチが入っている。
 こちらに放銃しても、三倍満直撃でもない限りドボンすることはないが、
 かといって、わざわざ放銃してやる必要もない。

 ここで、聴牌が入っているからといって、自分もリーチ合戦に参加するのは、
 火中の栗を拾いに行くようなものだ。それも、火傷では済まない。

 こちらは点棒の少ない身分、ふたりがやり合っているのだから、
 傍観者を決め込んで、できるならば打ち合いを期待しよう。

 少なくとも、こちらがドボンすることはほとんどなく、
 そして、西家が親に競り勝った場合は、労することなく、次局親番を手にすることができる。

 押すべき局面絶対に押してはいけない局面、このふたつをしっかり把握し、
 そして、それを忠実に実行することによって、
 トップ率ドボン率は改善されるだろう。
 特に、ドボン率の改善は、収支に如実に現れる。

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