2-1.七対子を使いこなそう

七対子を使いこなそう

七対子という手役がある。ふつうの和了形である4面子1雀頭とは違って、
対子を7組集めることで和了となる役のことだ。
アメリカ人が考案したものとされるが、七対子は麻雀における画期的な発明といえるだろう。

四人打ちでは、登場頻度が少なく、ともすれば埋もれてしまいがちだが、
三人打ちとなると話は別だ。
七対子という手役は、時に攻撃に、時に防御に、と万能の手役と化す。

七対子の性質

七対子の特徴には、以下のものがある。

  • 和了系は7組の対子
  • 聴牌時の待ちが必ず単騎(*1)
  • 2翻役

牌の種類が27(28)種、枚数が108(112)枚である三人打ちでは、
牌が縦に重なりやすく、比較的成立しやすい。
牌効率をまるで無視していても、気が付けば七対子聴牌していた、なんてことも、なくはない。

七対子は、待ちが常に単騎待ちであることから、かわし手として優秀な一面ももちろんあるが、
その本来の性能は、やはり攻撃面にこそ現れる。

そもそも七対子自体が2翻役であり、しかも、ドラを効率よく使えるため、
非常に打点が伸びやすいのだ。
リーチ・ツモ・七対子・赤赤・ドラドラで倍満に届くため、打点が必要な局面では、とりあえず七対子に向かう、という選択肢すらある。

さらに、他家のリーチがかかった時に、オリやすいというのも長所のひとつだろう。

ただし、いかに七対子が優れているからといって、積極的に狙いに行くべきではないだろう。
やはり三人打ちの基本は、面子で両面待ちでリーチをかけて、ツモ和了りしにいくべきだ。

七対子の弱点

七対子は聴牌時には必ず単騎待ちになるため、リーチ合戦になった時には、どうしても分が悪い。
たとえ相手がペンチャンやカンチャンの愚形だとしても、なお劣勢だ。
先制リーチに対して追っかけられたのならともかく、七対子でこちらから追いかけるようなことは、できるだけ避けた方がいい。

さらに、一度七対子に決め打ってしまうと、面子手に復帰しづらいという弱点もある。
そのため、先制リーチに対しては、どうしても押し返しづらく、ベタオリという選択しかできない場面も多々ある。

七対子が有効な場面

さて、ここで筆者が考える、「七対子が有効な局面」というものを、以下にまとめたいと思う。
あくまで、管見の限りであるので、目安程度のものとして扱ってほしい。

1.オーラス倍満ツモ条件
オーラス
東家:51000
南家:26000西家:28000

トップ目の親と25000点差で迎えた南三局。
倍満をツモれば、見事1000点差で逆転、という局面だ。
配牌を開いてみたところ、ドラが数枚あるばかりで、面子手の完成には程遠い3シャンテン
しかも、面子手を完成させたところで、倍満に届くかどうかは裏次第……。

というような場合にこそ、七対子は有効だ。
ドラを重ねて、リーチをかければ、倍満に手が届く。

2.点棒優勢時の子
南一局
東家:26000
南家:56000西家:23000

上記のような点棒状況で迎えた南一局。
この点棒を維持したまま、なんとか局を消化していきたいものだ。
最良の局消化は、自身で和了することに違いないが、
配牌を開けてみたところ、八種十牌の3シャンテンというもの。
国士無双に向かうのも悪くないが、配牌からベタオリしながら、七対子を意識しておく、という方法もある。

字牌の対子を手牌の中にたくさん抱え込んで置き、聴牌したならヤミテンで局の消化に努め、
先制リーチがかかろうものなら、一目散にベタオリする、という寸法だ。

あえて極端な2例を挙げたが、もちろんこれ以外にも七対子が有用な場面というのは、多々存在する。

しかし、もう一度言うようだが、その性能を過信しすぎて、なんでもかんでも七対子へ向かう、というのはいただけない。
やはり麻雀の基本は、面子手を両面リーチ、なのだから。

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