2-1.染め手を使いこなそう
ふつうの四人打ちでは、字牌以外の数牌は、萬子・筒子・索子の3種類からなる。
一方、三人打ちにおいては、その中から萬子の二~八が抜かれ、ほとんど筒子と索子だけで構成されていると言ってもよい。
それゆえ、混一色や清一色という役が、四人打ちに比べて、高い頻度で出現する。
- 混一色…門前3翻役、食い下がり2翻役。
- 清一色…門前6翻役、食い下がり5翻役。
と、他の役とは別格の威力を持ち、これらを効果的に使うことができれば、麻雀の実力は確実の向上すると言えるだろう。
混一色/清一色とそのメリット/デメリット
混一色は、いずれか一種の数牌と字牌のみで構成された和了に対して付与される手役だ。
門前で3翻もあるので、リーチと組み合わせるだけで簡単に満貫に到達し、
そこに役牌やドラも絡めば、倍満も難しいことではない。
と、言う風に一見、高火力/高打点の魅力的な役に思えるが、
もちろん、それに見合ったデメリットも持っている。
混一色を狙うためには、どちらか一種類の数牌を手の中に集めていくため、
必然的にもう一方の数牌は、どんどん河に並んでいく訳だ。
そのため、他家に混一色指向を察知されやすかったり、
河で1面子、2面子できてしまい、結果的に大幅に聴牌スピードを落としてしまうこともある。
しかも、8枚中4枚の赤ドラを使うこともできなくなってしまい、
場合によっては手なりで聴牌した方が高打点、ということもある。
また、他家にヤミテンで狙い撃たれる危険性もある。
筒子の染め手に向かっている相手に対して、索子でヤミテンする、という具合に。
特に、役牌などをポンして混一色に向かう、という場合は注意が必要だ。
戦術したように混一色は鳴いて2翻役。そこにドラや役牌を絡めたところで、跳満が関の山。
それならば、手なりでリーチをかけて、ツモや一発/裏ドラを期待した方が効果的なことが多い。
しかし、清一色となると話は変わってくる。
清一色は門前6翻、食い下がり5翻役という、混一色の倍以上の打点力を持ち、
リーチをかければ数え役満、三倍満まで見え、鳴いても倍満もたやすい。
特に、親番であれば清一色はその半荘の決め手となる和了となるだろう。
以下に、混一色/清一色のメリット/デメリットをまとめておく。
- 高い打点力
- 他家へのプレッシャー
- 聴牌スピードの低下
- 防御力の低下
混一色/清一色の仕掛け時
では、どのようなタイミングで混一色/清一色を狙えばよいのだろうか。
というような手牌ならば、とカンチャンを払って、巡目によってはのポンテンを取ることも悪くない。
(ただし、は役牌ではない)
この場合は、わざわざを鳴いてまで、混一色へ向かうのは愚策といえるだろう。
もちろん、が暗刻になったところで、筒子の両面ターツに手をかけるのは、著しく聴牌スピードを落とす原因となる。
混一色の場合は、特に鳴いて仕掛けるのはやめておいた方がいい。
それほど高い打点が期待できる訳でもないのに、防御力は下がる一方だ。
というような1シャンテンの状態で、をツモってきた場合は、の対子落としを検討するいいだろう。
何を切っても1シャンテンという手牌ならば、どんどん高打点を目指していくべきだ。
上のような1シャンテンの場合は、果たして、の対子落としに手をかけるべきだろうか。
ケースバイケースではあるが、特別に打点が必要な時以外は、素直に切りリーチとした方が、よいだろう。
いずれの場合も、基本的には両面などの好形や、聴牌を外して1シャンテン戻しをするのは、あまり良いとはいえない。
三人打ちは、基本的には先制リーチが強いので、そのアドバンテージを放棄してまで高打点を狙いに行く必要はない。
混一色/清一色への対策
では反対に、他家の混一色/清一色へはどのように対応すればいいだろうか。
特に親の清一色などは、放銃すればそれだけでゲームが決まってしまうような和了なので、
細心の注意を以て当たるべきだろう。
河からの判断
まずは相手が混一色/清一色を目指しているか、その察知をするところが肝要だ。
当然、河にどちらか1種類の中張牌が連打されれば、誰しもが察知できるだろうが、
もっと早い段階からも、河から判断することが可能だ。
例えば、混一色/清一色の仕掛け側として、以下の配牌の場合、何から切り始めるだろうか。
当然のことながら、まずはだろう。続いて、と手をかけるだろうか。
そんなことはないだろう。おそらく、という順に切り出していくだろう。
そして、数牌よりも後になって、字牌が手出しされることになるだろう。
また、その順番も場に数の見えたものから順番に切り出される。
というように、序盤の手組みから混一色/清一色指向があるのか、ある程度察知は可能なのだ。
役牌を絞る? 絞らない?
さて、6,7巡目になっていよいよ他家が染め手路線であることが確実となった時、
手牌の中にはまだ役牌が残っている。
これを絞るか絞らないかの判断は、もちろんケースバイケースなのだが、
相手が子の場合は、基本的には絞る必要はないだろう。
なぜなら、ポンされた場合、確かにシャンテン数は減り、聴牌スピードは上昇するだろうが、
打点はぐっと下がる。
むしろ、役牌を絞りに絞って、リーチに対して役牌を勝負し打ち込んでしまった時の方が、手痛い放銃となるおそれがある。
親の場合は、もう少し繊細な扱いが必要だろう。
鳴かせてシャンテン数を縮めるのも具合が悪く、かといって絞りに絞って、放銃してしまっては取り返しがつかなくなるケースもある。
これはあくまでひとつの意見に過ぎないが、ひとつの対策としては、
字牌は絞らず、すなおに牌効率に従って切っていって、
親に鳴かれた場合はベタオリする、という方法がある。
もちろん、絞りに絞って、ベタオリする、という方法もあるが、
どちらの戦術を取るにせよ、点棒状況と自身の手牌のシャンテン数/打点を鑑みた上で選択してほしい。
ヤミテンによる緊急回避
他家(特に親)が混一色/清一色を目指していることが察知できて、はや10巡目、
そのプレイヤーの手の中から、ようやくその色の数牌が切り出された。
こうなった場合、おそらく1シャンテン。あるいは、愚形聴牌も視野に入れておくべきだろう。
そしてそんな折に、こちらにも聴牌が入った。
喜び勇んでリーチ、と行きたいところだが、ここは冷静になるべきだ。
ふつう、リーチはこちらの和了打点を引き上げると同時に、
他家へのプレッシャーとなりうるが、他家が、しかも親が混一色/清一色を狙っているところに、
子のリーチが入ったとして、どれほどのプレッシャーになるだろうか。
リーチなど意にも介さず全ツッパされ、あまつさえ放銃という結末さえある。
さらに、こちらがリーチ宣言をすることによって、
もう片方の子は、親の相手をこちらに任せてベタオリしてしまう可能性もある。
そうなれば、親との1:1の対決を余儀なくされ、不利な戦いを強いられることとなる。
そんな時に活躍するのがヤミテンで、
いつでもオリられる余地を残しておこう。
仮に役ナシであってもヤミテンにしておくべきだろう。
満貫、跳満の和了を狙うに行くのは、火中の栗を拾う結果となりかねないから。
小車輪/大車輪の活用
大阪式三人打ち界隈におけるローカルルールではあるが、小車輪/大車輪という手役がある。
混一色・七対子の複合が小車輪で、6翻役。
清一色・七対子の複合が大車輪で、役満となる。
単なる混一色、清一色よりも強烈な打点力を持ち、
特に小車輪については、字牌待ちが可能な上に三倍満に手が届く。
しかも七対子の手組みであるため、オリのも非常に容易だ。
デメリットを強いていうなら、ほかの和了に比べて聴牌が難しいくらいで、
しかしそれさえも、そのメリットに比してお釣りがくるくらいだろう。
例えば、以下のような手牌
で、河にが切られたとする。
鳴けば、聴牌であるが、これをぐっと堪えて、小車輪を狙うというような攻め方もある。
当然、ややを引いてリーチとしてもいいし、清一色へ移行することも可能だ。