牌とマットは大切な商売道具
雀荘は麻雀を打つためのサービスを提供する店舗だ。
セット客には、卓と牌、それから飲み物などのサービスを。
フリー客には、それに加えて、麻雀を打てる「場」自体を提供する。
その収益の要は、いかに長時間、麻雀を打ち続けてもらえるか、ということに尽きるだろう。
フリーは立った半荘数に応じて、セットは単位時間に応じて、料金を頂戴する。
そのために経営者は、できるかぎり長く客に居ついてもらえる努力を怠らない。
ひとつは、「店内内装を整える」こと。
観葉植物を置いたり、空調を整備したり、心地よいBGM流したり。
そしてもうひとつは、「椅子にこだわること」。これは雀荘ならではのこだわりだろう。
例えば、カフェやバーを含む飲食店などでは、少なくとも客は食事に満足するまでは席を離れることはないから、
さほど椅子の質にこだわる必要はない。
むしろ、回転率を上げるために、わざと居心地の悪い椅子を用意する店すらある。
が、雀荘は先ほども言った通り、いかに客に長時間麻雀を打ってもらえるかが、収益の要となっている。
そのため、長く座っていても疲れない椅子は不可欠だ。
例えば、マツオカ株式会社から販売されている「ミラノ」という椅子なんかは、
定価は70000円近くするものの、耐久性に優れ、また座り心地も良い。
しかし雀荘が手を掛け、お金を掛けねばならないところは、それだけではない。
雀荘は、決して長く座ってもらうだけの休憩所ではない。麻雀を打つところだ。
ならばその道具にもまた、雀荘経営者は大いに気を遣わねばならない。
つまり、牌と麻雀卓だ。
これらは、いわば飲食店でいうところの、料理を出す際の「お皿」や「コップ」に相当する。
店に入って、さぁ麻雀を打とうと思って手を伸ばしたところ、牌が不潔では客も眉をひそめるだろうし、
傷やヒビが入っていれば、やれガン牌だのなんだのと騒ぎだすかもしれない。
牌詰まりなどのトラブルが続けば、せっかくの麻雀熱も冷めかねない。
牌はこまめに牌掃し、ガン牌の元となる牌は取り替えておくべきで、
卓も暇があれば清掃したり、業者にメンテナンスを依頼するべきだ。
そして、意外と多くの経営者が疎かにしがちなのが、「マット」だ。
様々な種類のマットが販売されているが、いずれも牌が傷つかないようにする防護機能を担っているほか、
打牌の際に、音が響いたり、壁牌が崩れたりしないように卓への衝撃も吸収してくれている。
当然、マットも牌と同様に消耗品だ。使っている内にすり減り、どんどん薄くなっていく。
特に、エレベーターラインの手前の手牌を開く場所なんかはそれが顕著で、
すっかり緑色が禿げ上がって、素地の部分が見えてしまっていることすらある。
そこに牌を打ち付ければ、当然大きな音が響き、牌への負担も大きくなる。
精密機械である自動卓自体にとっても悪影響を及ぼすだろう。
マットもまた、雀荘経営の上では大切な商売道具に違いはない。
一年に一度くらいの期間で、張り替えを検討してみてはいかがだろうか。