1-3.押し引きははっきりと
麻雀は、「手作り」と「押し引き」のゲーム、というのは有名な文句だが、
三人打ちの場合は、「手作り」というプロセスを踏まずとも、打点が確保できるために、
ほとんど「押し引き」のゲームと表しても過言ではない。
一口に「押し引き」と言っても、「押し方」「引き方」に程度がある。
押し:引き=30:70、だったり、押し:引き=90:10だったり、
具体的に言うなら、筋や序盤の尖張牌のマタギ筋くらいは押すが、無筋は打たない、とか、
あるいは、基本的にはなんでも押すが、自分で決めた筋だけは切らない、とか。
しかし、三人打ちにおいては、中途半端な「押し引き」は、往々にして痛い目を見がちだ。
例えば、次のような場況を考えてみよう。
という対面のリーチに対して、手牌が上記の通りだったとする。
手牌だけを考慮すれば、これは十分「押し」の形だ。
では、この手を「押す」として、なにから切り出すか。
①
②
③
理想的な答えは、③のだ。
「押す」と決めたのなら、マタギ筋だろうと、一発だろうと関係なく、牌効率に従った打牌選択をするべきだ。
ここで、を切るのは、受け入れ枚数を大幅に減らしているし、については、確実に通るとはいいがたい。
これが「中途半端な押し」という訳だ。
反対に、この手牌を「押さない」と決めたのならば、の対子落としではなく、の対子落としやの暗刻落としに取り掛かるべきだ。
中途半端な押しは、牌効率と打点の面から不利益を生じ、
中途半端な引きは、思いもよらない失点を招く。
押すつもりで放銃してしまったのなら、それは仕方のないことだし、
引くつもりならば、絶対に放銃してはいけない。
愚形先制リーチが珍しくもない三人打ちにおいて、
全ツッパしても案外刺さらないことも多いし、
反対に、後引っ掛けの形になって、筋で放銃するということもまた、少なくない。