2-2.スリム打法
麻雀は、オーラス終了時に最も点棒を多く持っていたプレイヤーが勝者となるゲームだ。
和了とは、そのためのひとつの方法に過ぎず、強いていうなれば、積極的に点棒を獲得する方法だ。
一方で、集めた点棒を少しでも他家へ漏らさない方法もある訳で、それがベタオリや回し打ちと言われる方法だ。
当然、その中間となる、「放銃したくはないが、かといって和了を目指さない訳でもない」というスタンスもあってしかるべきだろう。
今回は、その中間層の中でも、「放銃したくない」にウェイトを寄せた戦法について紹介したいと思う。
和了のためには、好形の搭子をできるだけたくさん持っておくに越したことはない。
実際に、「5ブロック打法」などが幅を利かせているように、積極的に和了を狙うのなら、それで間違いない。
が、和了に対して消極的な局面というのも、少なからずある。
そんな時に登場するのが「スリム打法」だ。
その名の通り、手をいっぱいいっぱいにせずに、手牌を進行させていく方法で、
例えば以下のような手牌、
ツモ
ふつうならば、一目散に和了を目指すために不要牌のなんて、ツモ切るのが牌効率的には健全だろう。
(の6種19枚の聴牌チャンス}
が、それを、受け入れ最大に取らず、打とし、を手牌の中に残す。これが、スリム打法だ。
(聴牌チャンスは、の4種15枚)
ここにおけるは、他家の共通現物、もしくは3枚切れの、
だれにとっても不要牌としての一例で、もちろんポンカスの字牌などでも構わない。
つまり、目いっぱいに構えるのではなく、常に最低でも1枚は安全牌を抱えて、手牌を進行させていくことをスリム打法と言う訳だ。
少しでも麻雀に慣れた人なら、ほとんど無意識に行っているこのスリム打法だが、
三人打ちにおいては、この安全牌の一枚が、天と地を分ける時がある。
特に、子の立場の場合、親のリーチが入った時に、
いつでも一発を避けられるように意識しておくべきだろう。
一発での放銃は、和了役に一翻が付与されるだけでなく、
ご祝儀も発生してしまうため、素点以上にフリー収支に響いてくる。
どのみち振り込むことになっても、一発を避けるのと避けないのでは、大違いなのだ。