2-2.役ナシ両面の使い方
役ナシ両面の使い方
麻雀の待ちの中でもっとも基本的なものは、「リャンメン」待ちで間違いないだろう。
リーチをかけて和了に向かうときには、常にリャンメン待ちを心掛けたい。
だからといって、リャンメン待ちだからといって必ずしも和了れるわけではないし、ましてや、リャンメン待ちだから必ずリーチをかけなければいけないということもない。
むしろ、リャンメン待ちだからといって、嬉々としてリーチを宣言することに、待ったをかけたい!
そのリーチ、本当に必要?
そもそも、リーチとはなんのために宣言するものだろうか。
まずひとつは、打点アップの為だろう。
リーチは1翻役であり、一発や裏ドラという偶然役のためのトリガーでもある。
そして一般的なフリー麻雀ルールでは、ご祝儀も存在するので、リーチひとつで瞬間的な収支がぐっと上昇する可能性がある。
しかし例えば、オーラス和了りトップで平和聴牌している状況や、国士無双聴牌の状況でリーチをする必要があるかといえば、むしろリーチのデメリット方が際立ってしまうだろう。
リーチのメリットは、いま挙げたように、打点アップだが、一方で、リーチのデメリットとして、①他家に聴牌を知らせてしまうことと、②和了りまではツモ切りしかできないことがある。
和了ればトップという局面や、最高の打点が用意されているような状況下で、他家に聴牌を知られてしまうのは、やはり味が悪い。
さらに、オリるという選択肢を失ってしまうのもまた味が悪い局面というのも、往々にして存在する。
極端な例としては、
プレイヤーA(子):89000点
プレイヤーB(親):14000点
プレイヤーC(子):2000点
というような局面で、プレイヤーAがリーチをかけるというのは、かなりのリスクを背負い込むことになる。
確かに「ツモ和了、もしくはプレイヤーCから出和了することができれば、トビ賞を獲得した上で大きなトップ」、というリターンを得ることができるものの、「親であるプレイヤーBに放銃しかねない」というリスクを負うことになるわけだ。
たとえプレイヤーAが先制リーチをかけたとして、プレイヤーBがオリてくれるということはほとんどないだろう。むしろ、「デバサイチャンス」がやってきた、と喜ぶのがふつうだろう。
AB間に横たわる75000点という差は、役満をツモ和了でもひっくり返らないような巨大な点差だ。
しかし一方で、もしもAがBに跳満放銃をしてしまった場合、75000点⇒39000点差に縮まり、次局一本場、倍満ツモで逆転のチャンスを与えてしまうことになる。
(リーチ棒を供託していた場合は、75000点⇒37000点)
巡目がまだまだ序盤(3,4巡目)で三面張というのならまだしも、中盤(8,9巡目)に差し掛かってリャンメンで手牌を蓋してしまうのは、少々心もとないだろう。
中盤戦ともなればいつ親のおっかけリーチが飛んできてもおかしくないような状況で、リャンメンが必ず和了れるとも限らないのだから。
リーチによって何が起こるのかを考えよう
リーチ、とプレイヤーの内誰かが宣言することによって、その瞬間、卓上では急激に状況が変化するのは言うまでもないだろう。
放銃したくないプレイヤーもいれば、放銃よりも和了を目指したいプレイヤーもいる。
「両面で聴牌したからリーチをしよう」というのは初心者までの話で、中級者以降はその変化にも敏感であるべきだ。
例えば、以下のような点棒状況、
■南一局 0本場
プレイヤーA(東家):49000点
プレイヤーB(南家):19000点
プレイヤーC(西家):37000点
ここで、プレイヤーCが先制リーチをかけたときに、他家の変化についで考えてみよう。
プレイヤーAに関しては、それほど変化は表れないだろう。
字牌対子を落として回し打ちを試みる、くらいのもので、ベタオリはほとんど期待できない。
プレイヤーCに放銃したところで、トップ条件を失うわけではないのだから、親権を活かして、できる限り点棒をかき集めようとするはずだ。
一方で、プレイヤーBについては、場合によってはそれ以降完全なベタオリに徹す可能性は高い。
聴牌や一向聴など、ある程度手が入っていれば放銃覚悟で和了を目指してくることも考えられるが、点棒的に親へも子へも放銃は避けたいし、次局は親番なのだから、そこで巻き返しを図りたいと考えることもあるだろう。
というふうに、プレイヤーCがリーチを宣言した瞬間に、ともすれば、親であるプレイヤーAと一騎打ちになるケースもある。
ならばなるべくリスクを背負わない選択としては、役の有無にかかわらず、やはりヤミテンだろう。
もちろん、この局面でプレイヤーCが先制リーチをかけるという行為が、必ずしも悪手というわけではない。
しかし、リスクを回避するためにヤミテンにするという選択肢があるということも、ぜひ覚えておいてほしい。