三人打ちフリー雀荘メンバーのぼやき②

三人打ちフリー雀荘メンバーのぼやき②

 ふだんからフリー雀荘に足繁く通っている皆様方、あるいは、
 あんまり雀荘に行かないという方々、

 雀荘と聞くと、どんな場所を想像するだろうか。

 ひとつは、漫画なんかでよくあるような、
 薄暗く小汚い、狭い部屋の中に、麻雀卓が置いてあって、
 その四方を、いかにもカタギじゃなさそうなおじさまたちが囲んでいる、
 そんな光景。

 ……そんな雀荘、いまではもはや絶滅危惧種と言ってもいいのではないだろうか。
 むしろ、今でもなおそんなところがあるのなら、僕が直接見てみたいものである。

 しかし、そんなイメージを抱くのには、やはり原因があることだろう。
 それは、麻雀が博打の温床のような、
 ダーティなものという認識に端を発していると思う。

 確かに、数十年前ならばそういうこともあっただろうが、
 現在は断じて違う。

 雀荘は、紳士淑女の社交場として生まれ変わったのだ。

 過去の後ろ暗いイメージを払拭するためにか、
 例えば大手チェーン店などでは、
 ことさら店内の内装に気をつかったり、
 従業員の接客態度や装いも、
 そんじょそこらの飲食店なんかよりはレベルの高いものとなっている。

 ちなみに、そういう店舗では、
 コンビニのように雇われ店長と大量のアルバイトが、
 変わりばんこにシフトを回し続けることで、
 良質のサービスを消費者に届けることを可能としている。

個人経営の雀荘

 ――さて、ここまでは雀荘のお手本のお話。
 当然、このお手本にそぐわない雀荘も、やはり各地にはたくさんある。

 例えば、個人事業主によって営業されている店舗などは、
 その典型例と言ってよいだろう。

 特に、これらの雀荘は、都市部から離れた片田舎のような場所に多い。

 では、都市部の大きな雀荘と、
 そのような小さな雀荘とは何が違うのだろうか。

 ひとつは、ゲーム代が安い。
 前者のような雀荘は、
 従業員給料やテナント料など大量の経費を賄った上で、利益を上げるために、
 フリー一半荘で動く金額の割には、
 高めのゲーム代が設定されていることが多い。

 まあ、上質のサービスを提供してもらえる対価と思えば、
 そう高いと感じることも少ないと思う。

 ほかにも、麻雀プロ来店イベントがあったり、
 純粋に麻雀を楽しみに行くという目的以外での娯楽を提供してくれること多い。

 が、僕が思うに、決定的な違いは、
 「客層と従業員」ではないだろうか。

 田舎の雀荘というのは、従業員が非常に少ない。
 店舗によっては、オーナーひとりで切り盛りしていたり、
 せいぜいそこに、もうひとり従業員だかよく分からない居候のような人間を足した、
 ふたり体制で営業している場合もある。

 そういう雀荘でよくある営業形態は、
 オーナーが店をオープンして、もうひとりがクローズするといったもの。
 一部のチェーン店ならば、
 大量の従業員を使って24時間営業を成立させている店舗もあるが、
 片田舎の小さな雀荘では当然人手不足で、
 そういうところでは、決まった時刻に店を開け、客がいなくなったら閉める、
 というオープンラスト方式を取ることが多いのだ。

 さてはて、いよいよ、手前の話にフォーカスしたいと思う。

 筆者も、そのような小さな雀荘でメンバー業に従事していたことがあるが、
 このオープンラスト制がおそろしく曲者だ。

 そもそも、ラストと言ったって、
 好きで麻雀を打っている客たちがいつまで打つかなど想像できるはずもなく、
 場合によっては、翌日のオープン時刻まで、
 果ては誰かが倒れるまで、卓から離れないという酔狂な客たちもいる。

 そういう客に当たったメンバーは、もう悲惨で、
 たった一組の狂人のような男たちのために、
 眠気に耐え耐え、お茶汲み人形と化して働かねばならない。

 なぜこんなことになるのかといえば、やはり従業員不足が最たる原因である。
 例えば、四人の従業員が勤めていたとして、その人数で以てしても、
 オープンラストを継続的に成立させるのは、実は難しい。

 厳密にいうならば、最低限可能なのだが、十分といえば話は別だ。

 もしも誰かひとりが倒れるだけで、
 寸分の狂いなくかみ合っていた歯車は外れてしまうのは想像に難くないだろう。
 しかも不思議なことに、この割を食うのは、残り三人が均等に、という訳ではなく、
 なぜか誰かひとりにしわ寄せがいくもので、

 世界の不可思議を感じざるを得ない。

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華土ノ本寄稿者

投稿者プロフィール

 このサイトにて、主に「弱小メンバーのガチンコフリー雀荘道中記」を執筆させていただいております。
 趣味は読書と麻雀。
 仕事は、とある片田舎の三人打ち雀荘メンバー。勤めて三年になります。

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