〇三人打とは?
近年では四人打ち主体の大手チェーン店も三人麻雀を取り入れたり、
ネット麻雀やゲームセンターでも、じわりじわりと人気が出始め、
三人打の土壌は広がるばかりです。
しかしながら今現在、プロ麻雀団体の行うリーグ戦やタイトル戦、
アマチュア参加の可能な全国大会にはじまり、
漫画の主人公が打っている麻雀やTV放送の麻雀対局まで、
四人打ちがスタンダードです。
それなのになぜ三人麻雀が全国に広がりを見せているのでしょうか?
理由としては、
遊戯者にとってみれば四人集めないとプレイ出来ない四人打麻雀と比べ、
三人集まるだけで楽しむことができることや、
ゲーム時間が半分程度で済むことから回数が多く楽しめること。
麻雀店にとってみても四人打ちに比べ、3/4の人員で運営が可能で、
且つ四人打の倍のゲーム数が見込めることなど、
もともと三人打は支持される要素が充分あるように思われます。
現代の三人打の普及は日本の時代背景が大きく関わっています。
〇三人打の始まり
三人打の始まりは四国の徳島発祥といわれており、
関西でブー麻雀、北陸地方では一局清算、
関東以北では東風戦が人気だった
昭和40年代から行われていたといわれています。
当時使用されていたといわれる三人打専用の
三角形の麻雀卓が存在も確認されています。
当時は全自動卓などない時代で、テーブルにマットを敷き、
手積みで麻雀をするため、バイニンと呼ばれるイカサマ師も多く存在しており、
阿佐田哲也の著書などで当時のイカサマの手法などが小説やエッセイの中で紹介されています。
〇3人麻雀麻雀、大阪で普及
昭和60年代より三人打は大阪で爆発的に普及してきます。
現在では関西地方のみならず、
日本の各地のフリー雀荘でも楽しむことができるようになってきましたが、
三人打の全国的な広がりの一歩は、
大阪から始まったといって間違いはないでしょう。
それゆえ三人打といえば大阪のイメージが強く、
関西サンマといわれる大阪発祥のルールが、
現代の三人打フリー雀荘のルールの基盤となっています。
大阪で普及した理由は当時の時代背景が色濃く絡んできます。
昭和60年まで大阪の麻雀店営業はタバコなどの景品を
麻雀の結果においてやり取りすることが認められており、
店側がその景品を買い取ることで実質賭博麻雀が合法的に営業できていました。
そういった事情から大阪では昭和60年代初頭までは
数多くのブー麻雀店が営業していました。
ブー麻雀店は昭和50年代から60年前半にかけて、
少しの時間で一人で来店しても麻雀が楽しめる現代のフリー麻雀店と同様の営業形態です。
しかし昭和60年の風営法の改定を機に、
新規でブー麻雀の営業許可を取得できなくなったことから徐々に数を減らしていきます。
代わりに新しく出された営業許可で営業する、
現代のフリー麻雀店が生まれてきます。
〇バブル景気と麻雀ルールのインフレ化
昭和60年の風営法の改定から日本は51カ月に及ぶバブル景気が訪れます。
景気の上昇に比例して短時間で大きく点数が動く刺激の強いルールが好まれ始めます。
全国の雀荘で赤牌や懸賞牌が市民権を得ます。
麻雀店の数が一番多かった時代です。
様々なルールのフリー麻雀店が全国にでき始め隆盛を誇ります。
大手麻雀が全国展開をし始めたのもこの時代です。
しかし大阪ではブー麻雀がまだまだ数多く営業しており、
短時間で楽しめるブー麻雀の土壌を受け継ぐ形で、
三人打フリーの出店も相次いでいました。
短時間で遊べるブー麻雀の特性とバブル景気によって
インフレ化をたどる特殊ルールを取り入れ、
せっかちといわれる大阪人気質と土壌に受け入れられ一気に流行します。
【35000点持ちのフリテンなし、
完先 赤あり抜きドラあり 東場ノーテン親流れ南場は流れない】
この呪文のような言葉が関西サンマのルールを表します。
バブル景気のこの時期に確立されたといわれるインフレルールが
今も関西サンマの基盤として普及しています。
〇地域ごとに異なる発展をする三人打ルール
三人打は四人打と違い教則本などは一切ありませんでした。
四国より始まり大阪で普及した三人打は西日本を中心に名古屋、関東へと広がっていきます。
インターネットがない時代、ルールはその地域ごとに発展していきます。
関西サンマ、徳島ルール、名古屋サンマ、九州サンマ
様々な呼び名で定着している三人打ルールはどれも特色があり非常によくできています。
- 関西サンマはトップ総取りのドラの多い完全先付1翻麻雀
- 徳島ルールはイカサマ防止に重きを置いたオリジナルな点数計算の麻雀
- 名古屋サンマは2翻縛りのアリアリ麻雀
- 九州サンマは四人回し順位戦の順位ウマのある麻雀
これらのルールはまるで違うようでいて、
しかし共通している部分が数多くあります。
ルールの違いはまた別の章で紹介しますが、
これらの三人打の源流は同じものと考えられています。
また違うルーツから発展したものとして、東天紅ルールがあります。
東天紅ルールは東京と北海道で広く行われているもので、
こちらの源流は一局清算の麻雀からといわれています。
このサイトでは一般的フリー雀荘で遊戯可能な三人打ルールを中心にしています。