三人打ちとリーチ②

■三人打ちとリーチ②

 〇リーチを打つ時、打たない時

 リーチは確かに強力無比の手役に違いはないが、
 だからといって、毎度毎度リーチでは、せっかくのトップを逃しかねない。

 改めて述べるが、リーチのメリットは打点の向上と他家へのけん制で、
 デメリットは和了率の低下と放銃率の増加。

 場合によっては、このデメリットの方が強く浮き出てしまう局面もある。

 リーチを打たない方がいいタイミングというのを、以下にまとめてみる。(すべて役アリ)

  1. 愚形聴牌
  2. オーラスの微差暫定トップ
  3. 他家のリーチがかかっていて、待ちがリーチ者の現物
  4. 親の打点が高そうで、いつ親のリーチが入ってもおかしくないような場況
  5. 自分の手牌にドラがない

 

 
 ①愚形聴牌でも、即リーを打つアドバンテージは少なからずあるが、
 子の時なんかは、親に追いかけられた時に備えて、
 やはり好形でリーチを打つのが望ましい。

 ②オーラス暫定トップ時、
 他家のリーチがないような状況で、役アリ聴牌が入ったとする。

 このような場面でリーチを打つのは、
 愚策だというのは理解しやすいだろう。

 ほかにも、先制リーチがかかっている状況で、
 リーチ者の現物を当たり牌にして役アリ聴牌した時なんかも、
 リーチを控えた方がいいだろう。

 ③和了率の低下と放銃率の増加のデメリットがよほど大きいと想定される時以外は、
 待ちが両面以上ならばすべてリーチで構わない。

 打点があるから確実に和了りたいのでヤミテンにする、
 というのは、下策となりがちだ。
 三人打ちは、やはり四人打ちに比べてツモ和了しやすく、
 一発や裏ドラなどのご祝儀獲得チャンスも大きい。

 ④親が華を2枚以上抜いていたり、明らかに染め手に向かっている河の場合は、
 軽々にリーチを打って追いかけられて、苦しい展開となることが多い。

 打点のある親は、
 子のリーチに対して回し打ちという手間すらかけることはないだろう。

 ⑤自分の手にドラがないということは、
 すなわち他家にドラが出回ってる可能性が高い。

 そうなれば、子の追っかけリーチすらも高い打点を持ち得るために、
 ④と同様の理由で、ヤミテンが推奨される局面も多い。

 

【Tips】役ナシ両面聴牌で、リーチを打たない理由

 ちょっとした余談ではあるが、
 筆者が時々活用する役ナシ両面ヤミテンの話をしたいと思う。

 これには、多くの人からの反論や批判のあることを覚悟しているが、
 まぁ、そういう考え方もあるんだ、
 くらいの気持ちで読んでいただければ幸いである。

 ひとつは、5のように打点がなく、かつ点棒が少なく、また中盤以降の局面の時。
 軽い気持ちでリーチをして、
 親の追っかけを食らって分の悪い勝負をしなければならないのなら、
 ツモ専に賭けて、リーチを打たないこともある。

 もうひとつは、オーラス和了止めのできるルール下、
 オーラス点棒優勢で、
 親との点棒差が28000点以上、かつ、子との点棒差が25000点以上

 というような点棒状況の時、役ナシ両面をヤミテンにすることがある。

 これにはふたつの理由があって、

 ・親の跳満ツモならまくられないが、
  跳満直撃なら着順が変わってしまうという点差であることと、
 ・子のリーチに差し込める点差であること。

 当然、リーチでもいいのだが、ヤミテンにすることで、
 危険な勝負を避け、その上でいざという時には子へと差し込みもできる。

 最後に、オーラスで自分の点棒が10000点を下回らないくらいで、
 トップ争いに参加できないような場面。

 特に、親と子が微差でトップ争いをしている時には、
 他家はこちらのリーチには意も介さず突っ張ってくるので、
 下手な打ち込みをして素点を減らしたり、トんでしまうくらいなら、
 いっそヤミテンで傍観者になっておこう、というものだ。

 

〇リーチを打たれた時の対処

 では、他家に先制リーチを打たれた時には、どのように対処をすべきだろうか。

 ひとつは、当然ベタオリだ。
 そうすれば、少なくとも放銃により大きな点棒損失のリスクはない。

 もうひとつは、回し打ち
 筋を追いかけるなどして、比較的安全そうな牌を切り出して、
 手牌を進めていく方法であるが、
 三人打ちにおいては、筆者はあまりオススメしない。

 なぜなら、前項でも書いたように、特に相手が親ならば、
 愚形での聴牌即リーも十分に考えられる。

 迂闊に回し打ちして、それに振り込み18000点、なんてこともありうる。
 手順を損して、もしかしたら和了まで一度逃し、
 上点棒まで失う、というのはあまりにも馬鹿らしい。

 最後に、全ツッパ。リーチと真っ向勝負の選択だ。
 四人打ちに慣れた方々は、あまりにもリスキーだと言って、
 顰蹙することかもしれないが、
 三人打ちにおいては、存外に高い効用を発揮する。

 というのも、先制リーチ者の待ちが、
 単騎待ちや字牌と何かのシャンポン待ちということも少なくないため、
 無筋の数牌をゴリ押しして、勝ち切ることも珍しくない。

 

〇ベタオリする時、しない時

 ベタオリというのは、麻雀におけるもっともわかりやすい防御方法だ。
 放銃のリスクをゼロにすることで、失点を最小限にする行為のことだ。

 しかし、あらゆる場面において、
 必ずしもベタオリが優れた防御であるとは言い切れない。

 例えば、オーラス暫定トップで、
 二着との差が1000点、2000点のような状況では、
 ベタオリはただただ他家を利するだけの行動に違いないし、
 こちらが微差を追う立場でも同様だ。

 ベタオリが最大の効用を発揮する場面は、
 ひとつは放銃すればトんでしまうが、ツモならば耐えうるというような点棒状況の時
 だろう。

 残り点棒7000点で、子のリーチがかかった時などが分かりやすい。
 振り込めば満貫でトびだが、
 ツモ和了ならば三倍満でもない限り、次局にも繋げられる。

 ほかにも、南場で点棒優勢時、子のリーチが入った場合、
 ベタオリすることで、
 点棒の損失を少なく局を消化することができる。

 

〇全ツッパする時、しない時

 全ツッパは、点棒を支払うリスクを度外視して、
 和了を目指す姿勢のことだ。
 オーラス満貫ツモ条件や跳満ツモ条件で、
 条件を満たした1シャンテンという手牌なら、
 たとえ相手が親だろうと全ツッパが有効だろうし、
 各家の点棒が平たい状況で、役満聴牌でも全ツッパするだろう。

 また、攻撃のみならず、
 防御としても効果を発揮することが、しばしばある。

 というのも、子のリーチになら打ち込んでも安く済むし、また、局も消化できる。

 とはいえ、やりすぎは禁物で、子のリーチだからと気軽に振り込んで、
 肝心なところで点棒が少なくて勝負がしづらい、
 というようなことになりかねない。

〇回し打ちの善し悪し

 三人打ちにおいて、筆者は回し打ちというものを、あまり重用していない。
 和了を逃しかねないし、手数も損するし、
 かといって、安全度が劇的に上がるという訳でもない。
 しかも、リーチをかけていない、
 もうひとりの他家に少なからずヒントを与えることとなり、
 結果としてディスアドバンテージの方が多いように思える。

 かといって、もちろんまったく無益なものでもなく、
 一概にどのような状況、とは言いづらいが、効果を発揮する場面は多い。

 

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