三人打ちとリーチ①
〇リーチとは
リーチとは、麻雀において、
最も基本的で、最も初歩的で、なおかつ現行のルール下においては、
最強の役であると筆者は認識している。
それは、四人打ち、三人打ち問わず、
手軽さ、打点、その他の諸要素をすべて含んだ上で、
リーチは至上にして至高の役に違いない。
なぜなら、まず現在主流の麻雀のルールでは、
常に1翻縛りで、なにかしらの役がなければ和了れない。
そんな中、門前で聴牌するだけで付与できるリーチという役は、実に有用だ。
さらに、リーチをかけて和了った場合、裏ドラを見ることができる。
これによって打点が増える上に、裏ドラの乗った枚数に応じて、ご祝儀という形で、
5000点分に相当するチップを獲得することもできる。
最後に、リーチは聴牌アピールをすることで、他家に圧力をかけることができる。
などなど、リーチは基本的にはいいことづくめで、
フラットな場況なら、どんどんリーチを宣言するべきだ。
一方で、リーチのデメリットについても触れておこう。
ひとつは、リーチ後は、和了り牌と特例の暗カンを除き、
ツモってきた牌はすべて河へ切らなければいけないこと。
これにより、一度リーチをかけてしまった手牌は裏ドラを除いて、
それ以上の打点向上は望めなくなってしまうし、
他家から追っかけリーチが入った時に、切りたくない牌が来ても、
和了り牌でない限り、必ず打牌せねばならない。
もうひとつ、これはメリットと表裏一体のものだが、
聴牌をアピールしてしまったことにより、
本来牌効率的には出ていた和了牌が、
他家の手牌の中から出てこなくなってしまうことがある。
さて、ではこのメリットデメリットを、三人打ちに落とし込んでみよう。
〇三人打ちにおけるリーチの威力
三人打ちでは、四人打ちに比べてリーチの威力は格別だ。
それは、ひとえに裏ドラ当選率の問題といってもいい。
牌の種類が少ない以上、当然、裏ドラが乗る確率は高く、
打点も上がりやすく、またご祝儀チャンスもそれだけ大きい、という訳だ。
また、人数が三人であるため、
そもそもとしてツモ和了の確率も四人打ちよりも高く、
多少の愚形聴牌でも、リーチをしておくに越したことはない。
他家からはそれが五面待ちの好形なのか、
それとも、単騎待ちのような愚形なのかは分からず、
現物の対子落としなどで、いったん対応せざるを得なくなり、
少なくとも、2、3巡の猶予を稼げるし、
場合によっては、特にそれが親リーだった時には、
一気に相手をベタオリまで追いやることができるかもしれない。
〇親のリーチ
三人打ちのリーチの中でも、親のリーチはさらに特別だ。
なにしろ、全赤華アリルールでは、
リーチをかければ跳満というのはお手軽に作れるし、
その上で、親の跳満は18000点と、持ち点の半分以上を削り取る。
極論、親で先制リーチを打ち続けられるなら、
三人麻雀は絶対に勝てるといってもいい。
子の立場で、親のリーチに対して愚形などで追っかけリーチをするのは、
その瞬間だけを切り取れば勝てることもあるだろうが、
長期的な視点に立った時、必ず期待値はマイナスに収束するだろう。
他記事でも、筆者は口を酸っぱくして言っているが、
親のリーチには基本的に逆らってはいけない。
翻って、親ならばどんどんリーチをかけていくべきなのだ。
カン4ピン、カン6ソウでも、先制ならば曲げる価値はある。
オリてくれてもヨシ、向かってきてくれてもヨシ。
特に、華を2枚3枚と抜いて、明らかにこちらの打点が高そうな時は、
愚形でも曲げ時だろう。
〇子のリーチ
一方で、子のリーチというのは、
やはり親のリーチよりかは価値が落ちる。
少なくとも、親は簡単にはオリてはくれないし、
もうひとりの子も、多少のことではオリないだろう。
が、それゆえに、他家からも放銃も期待できる。
それに、多少のプレッシャーもない訳ではない。
1-4、6-9などの両面ならば、手牌進行の結果として出ることもあるし、
2、8待ちなども、5引きの時の振り替わりなどで、十分に河に流される可能性はある。