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三人打ちと七対子
七対子といえば、2翻役の四面子一雀頭の定義から外れた、変わり種の手役のことだ。
対子を七組作ることで和了形となすため、手役の中でも特殊な扱い方をする人も多い。
四人麻雀においても、七対子を好んで手役作りをする人は珍しくなく、
実際、七対子は強力な手役だ。
二枚一組のペアをそろえる手役なので、ドラが使いやすく、
その時の打点も保証されている。
リーチ・ツモ・七対子・ドラドラで跳満に手が届くというのは、
やはりなんとも魅力的だ。
さて、三人打ちにおいて七対子はどのような立ち位置にあるだろうか。
三人打ちは、萬子の二~八を抜いて行うゲームであるため、牌の種類が少ない。
しかも、プレイヤーもひとり少ない。
その結果として、三人打ちは四人麻雀に比べて、牌が重なりやすい。
すなわち、七対子もやはり成立しやすい手役といえる。
が、これはあくまでゲーム性の結果であり、
だからといって七対子が三人打ちの中で抜きんでて強い、とは筆者は思わない。
牌が縦に重なりやすいのと同様に、横への広がりもしやすい。
手牌の中に対子が四つあるからといって、安易に七対子に向かったりすると、
せっかくの和了を逃すこともしばしばある。
あくまで、数ある武器の中で四人麻雀よりかは採用しやすい、
くらいの認識でいいだろう。
ところがこの七対子、場合によっては大活躍することがある。
例えば逆転のために手作りが必要な時には、もってこいの役で、
元から2翻役ということと、五筒・五索の赤を無駄なく使えるということもあいまって、
リーチ・ツモ・七対子・ドラドラ・赤赤で、倍満もお手軽で、
小車輪・大車輪というローカル役もあることで、三倍満、役満まで狙える。
〇七対子の弱点
七対子は、当然ではあるが待ちはかならず単騎待ちとなる。
それゆえ、両面などに比べて和了率が低いのはいうまでもなく、
めくり合いになった時には分が悪い。
さらにいうと、相手の行動に対応する時に、
手牌のツブシが効かないという弱みもある。
面子手牌ならば、相手のリーチに対して、
ひとまず雀頭を払ったりすることで、何度もでも押し返す機会は巡ってくるが、
七対子の場合は、いちど対子を落として次に聴牌が復活するには、
再びなにかしらの牌を重ねねばならない。
とはいえ、ベタオリを決め込んでしまえば、手牌の中に対子が多いことから、
手詰まりが起こるという展開は少ない。
ほかにも、七対子を狙った手牌作りをする時は、捨て牌が派手になることも多い。
そのため、他家に七対子を察知されやすく、なにかと不都合に見舞われることもある。
〇七対子とリーチ判断
先述したように、七対子は時として高火力を発揮する、強烈な武器だ。
だが、それにはリーチがほとんど重要で、
七対子で勝負する上では、このリーチの繊細な判断が難しいところだ。
例えば、七対子を聴牌したとして、
すぐさま聴牌即リーできるかといえば、そうではない。
待ち牌の問題、場況の問題、などを加味した上で、
リーチかもしくはヤミテンかを選択するべきだ。
例えば、他家の河が明らかに染め手っぽい場面で、
現状の待ちがその色である時とかは、どうしても尻込みしてしまうだろう。
また、自分が子で、局の中盤に七対子聴牌を入れたとしても、
容易にはリーチ宣言はできない。
いつ親のリーチが飛んできてもおかしくないような状況では、やはり分が悪いから。
では、どのような待ちで、
どのような場面でのリーチ・ヤミテンが、ふさわしいだろうか。
まずは待ちについて、ある程度細分化して書いていきたいと思う。
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まずは最も打点が望めるドラ単騎だが、正直あまりオススメはしない。
そもそもドラというだけで、他家からは放銃は期待できない。
②ドラ単騎(字牌)
数牌のドラに比べては比較的出やすいが、対子や暗刻にされている時も多く、
そんな場合は、決して他家からこぼれることはない。
が、ヤミテン時にはポン覚悟で河に放流されることもしばしば。
③赤単騎
①とあまり評価変わらず、オススメしにくい。
④字牌単騎(以降、字牌には萬子も含む)
字牌は七対子の待ちの中で最も信頼感のある牌で、
「単騎は西で待て」という格言もあるくらいだ。
そして、仮に相手が対子や暗刻にしていたとしても、
リーチ時には回し打ちやベタオリの対子落としで、
和了を拾えることも少なくない。
⑤一枚切れ字牌単騎
上記の理由に加え、一枚切れであるため、他家から見た場合の安全度がより高く、
非常に和了りやすい待ちといえるだろう。
⑥二枚切れ字牌単騎
一枚切れよりもさらに出やすいのは言うまでもないが、
いかに取り切りルールでやっていたとしても、
王牌に殺されてしまっている可能性があるが、
つかめば必ず出る牌だ。
特に、ゲーム終盤で先制リーチを打てた時には、強烈な待ちとなる。
⑦一、九牌単騎
一見、端牌ということで出てきやすそうだが、
数牌である以上、手の中で使うことも容易なので、
やはり信頼感は低い。
⑧中張牌単騎
⑦と同様に数牌なので非常に出づらい。
一度筆者は、2や8待ちは、
赤5を引いた時の振り替わりででやすいのではないだろうかと考えたが、
結果はあまり芳しくなかった。
⑨引っ掛け単騎
これも待ちは数牌であるが、
引っ掛けをしている分出やすいではないだろうか、と考える人は多い。
しかし、そもそも三人打ちにおいては筋の信頼度は低く、
さらに七対子を目指す時、
河が派手になりがちで、⑦⑧とあまり変わらない。
このように、やはり七対子は字牌で待つことをオススメしたい。
どうしても打点が必要な時に、ドラや赤5で仕方なく待つ、
くらいのイメージでいいだろう。
続いて、場況について、少し考えていきたいと思う。
①自身が親
親番で七対子を先制聴牌したならば、待ち頃の牌でリーチで問題ない。
親というポジションを利用して、どんどん子に圧力をかけていくべきだ。
この時ばかりは、ドラや赤5待ちも推奨される。
というのも、親番の時は、
ひとまず出和了よりもツモ和了による高打点を狙っていくべきで、
ご祝儀の関係からも、やはりツモ和了することが望ましい。
②自身が子で、点棒に余裕がある
点棒に余裕がある時は、基本的には局消化を心掛けるべきで、
リーチで無用な圧力をかけるよりかは、
ヤミテンで、できる限り和了率を上げた方がいいだろう。
③自身が子で、点棒に余裕がない
こういう場面が一番繊細な判断が必要で、
なぜなら、点棒をかき集めるためにリーチが必要なのだが、
一方で、押し返された時の危険も考えると、二の足を踏む。
特に、自分の手が満貫しかないような時は、
他家が高い打点を持っている可能性が高く、
リーチを控えた方がいい場面もしばしば。
④自身が親で、他家からリーチが入っている
リーチに対して追っかけで七対子というのは、
いかにも不安だが、親番ならば必ずしも悪手ではない。
とはいえ、所詮は単騎待ちなので、ヤミテンするのが無難だろうか。
待ちがリーチ者の現物ならば、ヤミテン推奨で、
ひょっこり出てくることも少なくない。
⑤自身が子で、親からリーチが入っている
当然のヤミテン。単騎待ちで親と勝負するのは分が悪すぎるし、
危険そうな牌をつかんだ時には、いちもにもなくオリた方がいい。
⑥自身が子で、子からリーチが入っている
ヤミテンが無難な場面ではあるが、相手のリーチが安そうな時は、
追っかけをかぶせて、親にプレッシャーをかけるのもいい。
子とのめくり合いならば、それほど恐れる必要はない。
〇まとめ
至極簡単に七対子についてまとめたが、
実際は、もっと細やかな判断が必要とされる場面があるし、
待ちについても、2が4枚見えていることにより1が好い待ちになることもあったり、
様々な場況が想定される。
七対子は、その特殊性から、それらに柔軟に対応できる手役であり、
ぜひともうまく使いこなして、トップ数を稼いでいってほしい。
〇余談
七対子を聴牌して、特にリーチをした時は、
理牌して当たり牌を、手牌中央あたりに持ってきた方がいい。
なにかの拍子に、手牌の端を倒して見えてしまっては、せっかくのリーチが台無しだ。