■三人打ちと手作り
全赤華アリの大阪式三人麻雀をプレイするにおいて、
基本的な戦術は聴牌即リーだ。
つまり、戦略も、最速聴牌を目指す牌効率重視のものとなる。
裏ドラも含めてドラが20枚も入っているのだから、
リーチをかけて和了るだけで平均打点跳満になるのだから、
当然の理屈といえよう。
だからといって、手作りをないがしろにしていいという訳でもない。
例えば、オーラス倍満ツモ条件なら、手なりではさすがに厳しい。
混一色や清一色などを絡めて、条件クリアを目指すこととなる。
四人打において手作りといえば、メンタンピン(三色)や
混一色を使って満貫・跳満の聴牌を作ることだが、
三人打ではどうだろうか。
三人打で手作りに優秀な5つの手役を以下に紹介する
①混一色――3翻役
混一色はやはり三人打でも強力な武器となる。
特に、面前で混一色を完成させた時には、
倍満まで簡単に手が届く。
そして、萬子が除外されているルールでは、
四人打に比べて混一色手が比較的入りやすく、
労力に対して高いリターンが見積もれる、優秀な手役に違いない。
しかし注意してほしい、他の色のターツを落としてまで、
混一色に向かう価値があるのかどうかは微妙なところだ。
混一色に手役を絞る場合、牌効率の著しい低下は否めない。
特に、鳴きを入れてまで混一色を狙う必要はなく、
それならば、手なりで進めてリーチを打っても打点は変わらないだろう。
②清一色――6翻役
清一色は、四人打、三人打を問わず、役満を除いて、単一で最も翻数を持つ手役だ。
清一色が絡めば、三倍満はもちろん、数え役満だって夢ではない。
しかし、三人打においても、あまり進んで狙うべきではない。
というのも、いかに萬子がない三人打ちとはいえ、清一色の成就は難しい。
清一色を目指すタイミングは、多くは混一色からの移行だろう。
混一色1シャンテンの1枚余りの形から、字牌対子を払っていったり、
もしくは、聴牌形から字牌対子を落としていくこともあるだろう。
混一色同様に注意してほしいのは、やはり牌効率が落ちることと、
他家からの放銃率が極端に下がることだ。
混一色(特に鳴いている場合)は、
他家からその色が出てくることもままあるが、
字牌対子を手出しで二枚切った後となると、やはり警戒度は高くなる。
最終形がカンチャン待ちの清一色を狙うくらいなら、
混一色でヨシとするべきだろう。
③七対子
2翻役。対子を7枚の特殊系の手役。四人打ではなにかと不遇な手役だが、
三人打においては、攻めに守りにと使える、
オールラウンドでパーフェクトな役だ。
牌の種類が少なく、プレイヤーも少ないものだから、まず、聴牌率が違う。
そしてドラを無駄なく使えるために、打点も高くなりやすい。
また最終的な待ちが単騎となるため、待ちが見破られにくい。
オリる時も、牌が二枚ずつあるので、比較的おりやすく、
同時に聴牌の復活もしやすいと、いいことづくめだ。
もちろん、デメリットもある。
単騎待ちをメリットのひとつと書いたが、
実際これはデメリットでもあり、
七対子先制リーチに対して、
親のリーチが入った時の危険度は計り知れないし、
他家の先制リーチに対して、
いくら打点が高かろうと押し返しづらい。
④小車輪・大車輪
小車輪、大車輪といえば、ローカルルールのように思われがちの方も多いだろうが、
三人打においては、メジャーな手役だ。
小車輪は七対子と混一色の複合役で6翻。
大車輪は七対子と清一色の複合役で役満となる。
それぞれの良いところどりをしたような手役で、
特に小車輪は、1翻分オプションがついていて、お得な役といえる。
⑤三暗刻
四人打においては登場頻度は少ないものの、牌の種類が少なく縦へ伸びやすい三人打においては、
狙えば比較的和了りやすい手役のひとつだ。
七対子と同じく、ドラが使いやすく、
2翻役なので打点が期待できるし、待ちも変則になりがちだ。
ただ、問題点としては、三暗刻のほとんどは、
シャンポン待ちのツモ専になるというこで、
例えば、リーチ・ツモ・三暗刻・ドラ4の倍満を期待していても、
出和了の場合は、ただのリーチ・ドラ4の満貫止まり、
ということも少なくない。
と、このように高打点の手作りを目指す上で有用な役を紹介したのだが、
いつでもどこでもこれを狙えばよいという訳ではない。
例えば、オーラス他家と僅差の和了トップ条件で、
わざわざ牌効率を犠牲にして打点を狙うのは悪手に過ぎない。
では、どのような状況に手作りをするのがふさわしいのか。
①ゲーム開始直後の東一局
全員の点棒が同じで、親の高打点への放銃さえ回避すればいいような状況下では、
配牌にもよるが、可能ならば手作りを狙ってみるのもいいだろう。
もちろん、牌効率を優先して打っても構わない。
②オーラス、三倍満ツモ条件
混一色、清一色を絡めて、実際に三倍満を作るのもよいが、河を派手にして、高打点を狙ってるアピールをすることで、
他家にプレッシャーをかけるのも目的。
また、そういう状況にある時は、自身の点棒がかなり少ない状況なので、
親の先制リーチなどに対して、1シャンテン押しするのは厳禁。
他家のリーチに対しては、諦めて素直にオリるのがよいだろう。
当然、手なりで進めて先制リーチを打てるのなら、
すこしでも素点と祝儀を稼ぐために、そちらの選択するのも一手。
③オーラス、点棒ダントツの親
オーラスで点棒が80000点オーバーの親番では、なにをしても許される。手なりで満貫、跳満でリーチをかけるもよし、
手作りして倍満、三倍満を目指すもよし。
さらに言うなら、ほとんどの場合、
銃したとしても順位が変わることがないので、
全ツッパも許される。
いわゆる王様ゲームというやつだ。
④点棒に余裕のある親番
50000点を超えた点棒を持った親番では、他家への放銃はさほど痛手とならない。特に、東場であるのならなおさらだ。
オーラスでトップ争いにさえ参加できればいいのだから、
仮に南二局の親番であったとしても、
他家に放銃しても問題ないという状況は結構あるものだ。
ならばやはり親であることを目いっぱいに使って、
できるだけ他家の点棒を奪っておくに越したことはない。
以上のように、高打点を目指してもよい場面というのはたびたびある。
各項目でも書いているように、手なりで打つのも悪いことではないのだが、
やはり狙えるのなら狙うべきだだろう。