三人打ちとヤミテン

■三人打ちとヤミテン

 ヤミテン、もしくはダマテンという技術があるのは、みなさまご存じのことだろう。
 門前聴牌を、リーチをかけずにしていること、もしくはそのまま和了ることも指す。

 ヤミテンのメリットは、他家に聴牌を悟られにくいため、和了り牌が出てきやすいこと。
 デメリットは、打点が下がることとご祝儀抽選の恩恵を受けられないことだ。

 ご祝儀はふつう5000点分としていることが多いので、この抽選を逃すことはかなり惜しいことで、
 基本的には三人打ちにおいてもリーチが推奨される。
 一方で、そんな中でもやはりヤミテンが効果的な状況というのも、いくつか存在する。

 ①待ちが悪い

 特に序盤のカンチャン待ちなどは、いったんヤミテンにして、好形になるのを待った方が良い。
 牌の種類が少ない三人打ちでは、四人打ちに比べて好形変化がしやすい。

 ③他家(特に親)のリーチがかかっている

 リーチがかかれば、やはりリーチ者の方に意識が向くというもの。
 待ちが、リーチ者の現物であればなおよい。作戦通りとまんまと和了にありつけることも多い。
 さらに、ヤミテンに構えることで、オリることも可能なのだ。
 現物や筋ならば押せばいいし、無筋ならオリればいい。

 ④他家に放銃することを避けたい

 点棒状況的に、他家への放銃をなるべく回避したい局面というのも多い。

 例えば、16000点の点棒でリーチをかけた場合、
 親にも子にも追いかけられると厳しいものがある。
 ならば和了りやすさと、オリることも考えて、ヤミテンが効果的だ。

 跳満あるからといって、無理に倍満を目指すこともない。

 ⑤局をできるだけ消化したい

 南入してしまって、点棒優勢状況下では、さっさと局を消化していくに限る。
 そんな時に、わざわざリーチをかけて場を停滞させる必要はない。
 和了りやすさ重視のヤミテンで、サクサクと局を回していけばいい。

 ⑥オーラス時、和了トップ条件

 オーラスで、点棒優勢、もしくは満貫を出和了すればよいという場面では、
 やはり和了りやすさ重視のヤミテンが推奨される。
 リーチをかけてしまう、トップの目がない子がオリてしまい、親と一騎打ちになりかねない。

 
 などなど。ほかにもいくつかヤミテンが良い場面もあるが、

 しかし、たいていの場合はリーチするに越したことはない。

 迷ったらリーチ、と思っても構わないだろう。
 ところで、いま列挙した四項目では、すべて「役アリ」のヤミテンについて述べたが、
 「役ナシ」のヤミテンについても、少しお話ししようと思う。

 役ナシヤミテンとは、当然出和了りはできない。
 フラットな点棒状況では間違いなくリーチなのだが、
 大きく点棒状況が崩れたり、切迫した場況などでは、役ナシヤミテンもやむなし、という場合もある。

 ①親の打点が高そう。かつ、局面が中盤以降

 手牌の中にドラが2つで、満貫が関の山の聴牌が中盤に入ったとして、
 しかし親の河を見ればいかにも染め手。少なくとも1シャンテンだろうという場面。
 ここで聴牌即リーをするのは、あまりにも危険すぎる。
 すぐさま親の追っかけが入って、三倍満放銃となれば目も当てられない。
 こういう時には、好形で役がなくてもヤミテンしておくのが無難だ。

 ②オーラス、点棒ダントツの子

 70000点近く持ったオーラスの親番。
 そこで両面の役ナシ聴牌が入った。
 すぐさまリーチも、確かに悪くはないのだが、
 親に追いかけられて、放銃してしまうと、せっかくの点棒差が一気に縮まってしまう。

 そういう訳で、選択肢のひとつとして、ヤミテンをしとおく、ということも考えうる。
 親のリーチにはオリてよし、子のリーチには、親へのプレッシャーがてらに追いかけてもよし。

 さらにいうなら、子のリーチにはヤミテンのまま全ツッパするのも構わない。

 子に放銃してもトップでゲームセットだし、運よくツモ和了りしてもゲームセットだ。
 その状況で親のリーチがくれば、いちもにもなく、ベタオリで、子が和了ってくれるのも祈るばかりだ。

 両面役ナシとはいえ、毎度毎度リーチが正しいという訳ではない。
 リーチはメリットと同時に大きなリスクを背負うことにもなるのだから、
 時にはぐっと堪えて、リスクを減らすべきだろう。

 三人打ちというのは、リーチとドラによる高打点で殴り合うゲーム。
 そんな中で、あえて打点の下げるヤミテンというのは、
 できるだけ効果的に使っていきたいところである。

 

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