価値のある和了

■価値のある和了

 三人打ち、四人打ちを問わず、麻雀において和了るとは、どのような意味を持つだろうか。

 すぐに思いつくのは、当然和了時の牌姿に応じて、点棒を獲得するという意味。
 続いて、親ならば親権の維持と、子ならば親流し、など、挙げられるだろう。

 ならばそれをもうちょっと掘り下げて、和了の価値について考えてみよう。

 意味のない和了は存在しない。しかし、価値のない和了は存在しない、と言えるだろうか。

 例えば、オーラス、トップとの点差が4000点で、
 1000点の手を和了る。これに価値はあるだろうか。
 もちろん、そんな和了に価値などあるはずがない。
 意味がないと言って、顰蹙さえする人もいるかもしれない。

 このような煮詰まった状況下、極まった条件においては、
 誰しもが和了の価値について考えることができるのだが、
 東一局や各プレイヤーの点棒が平たい状況では、
 和了の価値について問える人は、実は少ない。

 麻雀とは、ゲーム終了時点で最も点棒を持っていた者が勝者となるゲームなのだから、
 それにそぐわない和了は、価値が低いと言ってしまってもいいのだ。
 

「和了れば、点棒がもらえる以上、その理屈でいうなら、価値のない和了なんてないんじゃないか?」

 という疑問には、ちょっとした例えを示すことで答えることとしよう。

 東一局全員の点棒が同じ状況で、
 子が1000点、2000点の和了をする価値は、
 どれくらいあるだろうか。

 確かに、親が流れるという意味はあるのかもしれないが、むしろそれゆえに、
 筆者はこの和了は価値が低いと考えざるを得ない。

 むろん、親が大物手を作りつつある、とか、華をたくさん抜いていて、打点が高そうだ
 というような特殊な場面なら話は別だが、
 親も、もうひとりの子も、凡庸な河で、先制リーチもかかっていない、というようなシチュエーションで、
 早々に役牌を仕掛けて、1000点を狙いに行くことに、筆者はなんの価値も見出せない。

 
 麻雀は、
 ゲーム終了時点で一番多く点棒を持っていたプレイヤーが優勝というのは先ほども述べたが、
 この原則に従った上で、1000点という小さな点棒を受け取って、局をただただ消化するというのは、あまりにも不毛だ。
 放銃した側も、(それが仮に親だったとしても)口惜しいとは思わないだろう。

 そんな和了をするくらいならば、役牌をスルーして、リーチをかけて満貫、跳満、さらにご祝儀獲得まで目指すべきだ。
 三人打ちにおいては、一半荘内にプレイできる局数は、連荘を考慮しても、6~9半荘程度なのだから、
 単純計算して、自分の和了れる回数は2~3回
 その内の1回を、1000点の和了で局消化してしまうのは、もったいない、という訳だ。

 続いて、こんな例はどうだろうか。

 南二局0本場、自分は親で、点棒は暫定トップ
 一方、西家はここで倍満ツモをするか、跳満直撃をしなければトップが厳しい、という状況下、
 3000点の和了をすることに価値について問いたい。

 親権が維持できるのだから、安かろうと和了るに越したことはない、という意見も、もちろん一理ある。
 しかし、この局面でただただ親権をキープする価値はどのくらいあるだろうか。
 もう一度親番を行うということは、すなわち、局を消化しないということ。

 この時、最も得をするのは誰か。
 それは西家であり、南二局0本場では、配牌に恵まれず、倍満の手作りが難しいという展開だったが、
 1本場になって、あるいは狙える配牌となる可能性もある。

 もちろん、いま言ったのとは反対に、0本場で倍満の手牌が入っていて、
 3000点の和了によってそれをふいにできた、という場合もあるが、
 この局面で肝心なのは、他家に逆転のチャンスをなるべく与えない、ということだ。
 ここにおける親の安い和了は、他家に猶予を与えるばかりで、親にとってはほとんど価値がない。
 なんだったら、自分が和了るよりも、西家から南家への点棒の横移動でも構わない。
 そうすることで、次局オーラスで西家はほとんど逆転が不可能となる。

 
 このような状況下における、最もバリューある行動は、
 ①点棒の少ない西家を飛ばしてしまって、オーラス親番のある南家に逆転のチャンスを与えないことだ。

 ②次点で、可能な限り高打点の和了をすることで、西家の逆転の目を潰してしまうこと。

 反対に、バリューを損なう行動は、西家への放銃。続いて、南家への放銃。
 そして、安い和了を拾って、親番を続けてしまうこと、だろう。

 高打点の和了をするつもりで、手牌を進めて、西家への打ち込んでしまうのは、最悪仕方ないとして、
 はじめから役牌を鳴いて3000点の和了を目指すような、バリューを損なう行動は、望ましくない。

 最後に、こういう例を挙げてみる。

 東二局2本場。自分は子で、親は70000点近い点棒を持っている。
 親のツモ和了が二度続き、子同士の点棒はだいたい同じ、という状況で、
 2000点、4000点の和了をすることの価値はあるか。

 答えは、ある。むしろ、ことここに至っては、高打点を狙うことよりも価値が高いと考える。
 その価値は親番を流すということに、一点集約される。

 親が70000点近い点棒を持っているということは、
 子は40000点未満の点棒をふたりで分け合っているということであり、
 すなわち、もう一度親のツモ和了が成立すれば、次局箱下は目の前の点棒にまで追いやられ、
 放銃などすれば、そのまま吹き飛んでいってしまう恐れすらある。

 となれば、打点よりも聴牌を重視すべきだ。

 さらに、自分の打点が小さいということをアピールすることで、もうひとりの子からの打ち込みも期待できる。
 例えば、親番を流すことと同時に打点も意識して、リーチを打ったとする。

 そうすると、もうひとりの子は、攻めっ気を引っ込めて、ベタオリへ移行するだろう。
 そうなれば、点棒のある親と一騎打ちをする羽目になり、
 余裕がある親は、もしかするとリーチに脇目も振らずに全ツッパしたのちに、
 追っかけリーチ、しかもこちらが放銃してしまう、という最悪の展開まで待ち受けている。

 しかし、4000点、6000点程度の打点なら、
 もうひとりの子は、自分の和了を重視しながら、最悪こちらへ振り込むことも、よしとするかもしれない。

 
 点棒状況、局面、様々な要因によって、その場その時における価値とは、常に変化している。
 その価値を損なうような行動は、それがたとえ和了であったとしても、余計なリスクを招きがちだ。

 和了の際には、常に価値の高い和了を心掛けたい。

 

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